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夫婦が離婚する場合取り決めておくべきこととは?
日本では、夫婦が合意をすれば詳細に取り決めを行わなくても離婚届を提出すれば離婚が成立します。
しかし、何も取り決めないで離婚をすると後になって後悔したり、トラブルに発展する可能性があります。
今回は夫婦が離婚する場合取り決めておくべきことや注意点等について解説していきたいと思います。
夫婦が離婚する場合に取り決めすべきことは大きく5つ
夫婦が離婚する場合、取り決めすべきことは大きく以下の5つとなります。
- ・財産分与
- ・親権
- ・養育費
- ・面会交流
- ・慰謝料
詳しく確認していきましょう。
財産分与
離婚する場合に必ず取り決めるべきこととして財産分与があります。
財産分与とは、夫婦が結婚してから離婚、または別居するまでの間に協力して築いた共有財産をそれぞれの貢献度に応じて分けることを指します。
貢献度とは、収入だけでなく家事や育児を行ってきたことも考慮されます。
そのため、よほど高収入でない限り、共有財産は半分ずつ分けることになります。
ただし、財産分与の対象となる資産は、現金や預貯金のように半分に分けられるものだけではありません。
不動産や自動車などの動産のように分けられないものに関しては、夫婦の話し合いによって誰が所有するかなどを決めることになります。
親権
離婚する夫婦に子どもがいる場合、取り決めなければならないこととして親権があります。
親権は基本的に夫婦の話し合いによって取得することになりますが、争いとなった場合離婚調停、離婚訴訟などで決めることになります。
争いが起きた場合には、「どちらの親と暮らした方が子どものためになるか」という観点で親権者を決めます。
なお、2026年から共同親権が導入される予定です。
共同親権が導入されれば、親権の争いが無くなるのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、親権を取得したい方の多くは、子どもと暮らすことを目的とされているかと思いますので、依然として子どもに関する問題はなくならないのではないかと予想されます。
養育費
離婚する夫婦に子どもがいるときに必ず取り決めを行うべきものとして養育費があります。
養育費とは、子どもと一緒に暮らしていない親に支払い義務のあるお金を指します。
養育費の支払いは義務とされていますが、実際のところ支払い率はそれほど高くありません。
また、早く離婚を成立させたい思いから養育費を取り決めずに離婚する方も一定数いらっしゃいます。
とはいえ、子どもには衣食住に関するお金はもちろんのこと教育費も必要ですので、離婚する前に取り決めしておくことが大切です。
面会交流
子どものいる夫婦が離婚する場合、取り決めておいた方がよいこととして面会交流があります。
面会交流とは、非親権者(非同居親)と子どもが面会したりLINEなどのSNSやメール、電話などで連絡を取り合うことを指します。
面会交流は子どもの意思を最大限尊重しながら取り決めをおこなうものとなります。
慰謝料
夫婦の一方の言動がその配偶者の権利を侵害する行為であった場合、権利の侵害されたことによる精神的苦痛を理由に慰謝料を請求することができます。
具体的にいうと、肉体関係のある不倫やDV、モラハラなどがあります。相手方がご自身の権利を侵害したことを素直に認めてくれれば良いのですが、否定するような場合には、慰謝料を得るため権利を侵害されたことの証拠を準備する必要があります。
まとめ
今回は夫婦が離婚する場合に取り決めを行うべきことについて紹介していきました。
当事者が冷静になって話し合い、離婚に関する取り決めを行えれば良いのですが、感情的な問題、また離婚に至った経緯によってはうまくいかないこともあります。
そのような場合にはトラブルが大きくなる前に弁護士へ相談することを検討してください。